翻訳センターは、大阪、東京、名古屋と三大都市に拠点のある日本最大規模の翻訳会社であり、医薬翻訳、特許翻訳、金融翻訳、工業(IT関連)翻訳など、企業向けの専門分野の翻訳会社だ。
英語翻訳をはじめ、中国語翻訳や多言語翻訳も海外の翻訳会社との提携により、高度で専門性の高い翻訳を提供している。
また、メディカルライティング業務、翻訳者派遣、通訳者派遣、ゲーム翻訳・漫画翻訳にもその分野を広げている。
内部統制報告制度が開始されるに当たって、「J-SOX制度については、必要最小限の事項だけに対応するのか、それともこの機会に業務リスク等も踏まえた対策を講じていくのかということについて、コストの点も含めて検討を行いました。当社では、最小限を目標とした実施では余裕が無くて不安だったため、少しグレードの高い対応を目指すことになりました。」と取締役内部監査室長の淺見和宏氏は語る。
「J-SOX制度への対応に際して最大の課題は、まず「何をどこまでやるのか」ということでした。抽象的な概念や一般論はともかくとして、当社には当社の事業内容や特色に合わせた、内部統制をより有効なものとするための範囲や程度があるはずです。ところが前例がないために、大枠としての制度や規程類の整備には何が必要か、個別の業務フローの中のリスクに対してどのようなコントロールをつけていくのか、作業のひとつひとつに確信が持てず、漠然とした不安の中で進めていくしかありませんでした。そういう時に、NEXT CENTURYさんに、「これはこういう趣旨なのだから、ここまでやっていれば大丈夫でしょう」と言っていただくと大変安心でき、効率良く先に進むことができたと思っています。」
そこで翻訳センターはこのような問題に対処するため、NEXT CENTURYの採用を決定したが、その決め手となった理由について淺見和宏氏は次のように語る。
「NEXT CENTURYさんにコンサルティングをお願いする決め手となったのは、いわゆる3点セットなどの書面作成について「作業の部分もお手伝いしますよ」と言っていただいた点です。指導マニュアルどおりに口だけ出すコンサルティングではなく、一緒に手も動かしながら丁寧にご指導いただけるのではないかと期待しました。もちろん結果は期待どおりでした。」
プロジェクトの中で、もっとも困難だったのは、①担当者レベルでの内部統制の知識の習得(特にリスク概念)が困難であったこと、②現場の意見を踏まえた上での、翻訳センターに合った内部統制を考えることであった。2008年4月に大阪営業部から内部監査室に異動を命じられた池田英樹氏は、「全く畑違いの部署に異動しましたので、最初はかなり戸惑いましたね。しかし、NEXT CENTURYさんがしっかりしたリスク概念を定義しておられ、
根気良く知識の落とし込みに付き合っていただきました。当方の理解度に合わせた丁寧なご説明・指導に加え、「たとえばこういうふうに作成してはどうですか」と言いながら、本来は
当方が行うべき作業もかなりの部分で手伝っていただきました。」
「コンサルタントは社員並かあるいはそれ以上に、現場の声や会社の状況を具体的に把握する必要があると思います。その情報をもとに、当社に最も適した具体的な内部統制への対応策をアドバイスしていただき、それを現場に浸透させられたことが、初年度の内部統制の有効性を確保することにつながったと考えています。コンサルタントと社内の内部統制担当者との良好なコミュニケーションが、内部統制有効性の確保のための第一歩だと思います。」と語る。
翻訳センターは、1年以上にわたって、J-SOX制度に対応するための体制を構築し、その運用を浸透させてきたわけだが、この基本的な考え方は実は他のさまざまな場面で利用できるフレームワークを提供してくれており、このノウハウや経験を活かして、今後も社内の諸問題をスムーズに解決することにつなげていく考えだ。
株式会社 翻訳センター
本社所在地
大阪府大阪市中央区平野町2丁目5番8号
平野町センチュリービル9F
資本金
3億9981万8000円
(平成21年6月25日現在)